研ナオコさんをインタビュー取材!!

都内の閑静な住宅街にあるスタジオで、僕ら4人の取材陣は研ナオコさんを待っていた。昭和40年男にとっては大きな存在ではないか? 小中学生の頃の僕らに刺激と影響を与え続けてくれた研さんと、仕事とはいえ会えることにいつになく 緊張した僕だった。

研ナオコさん

小さい頃から大好きだった方と会うときにいつも頭をよぎる。「イヤな人だったらどうしよう」と。極々稀に、勘違いしている方に出くわして、ガッカリさせられることがある。ましてや研さんといえば、あの毒舌や大先輩でさえ遠慮なしのトークを小さな頃から目の当たりにしてきた。会いたいワクワクにドキドキが入り混じって、待つ時間が長く感じたのは取材陣の中で僕だけでなかっただろう。

『カックラキン大放送』でのナオコ婆ちゃんは最高だった。キンチョールやミノルタカメラのCMも秀逸なもので、いつも明るい笑いをお茶の間にもたらしてくれた。新進のギャグものをあまり好まない両親も、研さんには好感を持っていたようだ。それらもさることながら、僕にとってはなんといっても素晴らしい女性シンガーとしての研ナオコさんに強く影響を受けた。最初に好きになった曲は『カモメはカモメ』だ。それ以前の『愚図』や『LA-LA-LA』、『あばよ』なんて名曲もあるが、中学に入学した頃にヒットチャートを駆け上がったというタイミングが大きい。まだまだ女心なんてわかっちゃいなかったが、わかろうとし始めた頃だ。中島みゆきさんが丁寧に綴った歌詞を、悲しさを増して響かせる研さんの歌唱の素晴らしさに虜になった。『ザ・ベストテン』が始まった年であり、あの舞台で歌ったことも強く記憶している。エアチェックして何度も聴き込んでは♪女にはなれない♪の部分に、悲しい気分を味わったのが昨日のことのようだ。

緊張の中で始まったインタビューでの研さんは「イヤな人」なんてとんでもなく、きれいな敬語で受け答えなさってくれた。時々ギャグや毒を入れるのも小中学生の頃に見た研さんのままで、まるで当時のテレビを見ているような楽しい時間となった。あまりの盛り上がりで予定時間をはるかにオーバーしてしまったのに関わらず、最後までキッチリとギャグをかまし続けた。取材のすべてが終わり、スタジオ出口まで見送りにいくと、こっちが恐縮するような腰の低さで去っていった。

さて、今皆さんは疑問を感じているはずだ。「なんで昭和40年男に研ナオコさんなんだ?」と。 

『カックラキン大放送』の証言者として登場する。キンチョールの名CM制作の現場を振り返るなんてのもありそうな企画だなと推測している方は、相当な『昭和40年男』ジャンキーですな。でも今回はなんと、巻頭特集の中の1つとしてインタビュー記事が入る。次号の特集テーマを明かすのにはまだ早いから、少々引っ張らせてもらうが『俺たちを虜にしたテクノロジー』『俺たちが愛した悪役たち』に続いて、「なんと、そう来たか」との声をいただけるのではないかと自信アリだ。

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