デヴィッド・ボウイの新作に期待大。

デビット・ボウイ レッツ・ダンスついにやってしまった。絶対に手を出さないと神に誓っていたのに、強すぎる欲求に勝てなかった。実はワタクシ、配信で音楽を買ってしまったのです。なんだ、そんなことかと思った方が多くいるでしょうが、僕にとって音楽とは永遠にパッケージで買うものだと位置づけていた。そんな生涯の誓いを破ってまでも欲しかったのが、デビット・ボウイの久しぶりの新曲『ホエア・アー・ウィ・ナウ』だ。これ配信でのみリリースされたのだから、悪魔に魂を売り飛ばすのも仕方ない。

ファンの方なら今回の騒ぎはご存知だろうが、一切の情報がないまま彼の66歳の誕生日となる1月8日に発売された。同時にニューアルバム『ザ・ネクスト・デイ』の予約も開始という、スゴ技を見せつけられたのだった。ステレオで鳴らせずヘッドフォンで聴いているのはやはり虚しいが、でもそんなの些末な問題であると思える名曲である。常に自分の殻を破ろうとする彼らしい新曲で、脅威の66歳であると同時にアルバムへの期待が大きく膨らむ。

昭和40年男にとってボウイといえば、まずはなんといっても『レッツ・ダンス』だろう。ミュージックビデオで蝶のように舞うボクサー姿の色男がデビット・ボウイだった。ちょうどミュージックビデオがプロモーションにおいて重要度を増していた頃で、何度も目にした。中1からロックに狂っていた僕は、なぜかボウイはキチンと聴くチャンスがないままだったが、このヒットにより同タイトルのアルバムに収録された『モダン・ラブ』のカッコよさにやられた。バンドでカバーしたし、弾き語りにアレンジしていまだに歌うこともあるほど惚れ込んだ。そして過去の作品に遡るのが、僕ら世代の音楽の楽しみ方の1つで、このときからボウイ作品の旅に出て名作『ジギー・スター・ダスト』にたどり着くのに時間はあまりかからなかった。

加えて強烈に記憶したのは『戦場のメリークリスマス』だ。ホレボレするほどカッチョよくて、たけしさんとの組み合わせの妙ったらさすが大島監督と唸った。『レッツ・ダンス』と同じく高校3年生のときで、周囲は完全に受験モードだった。そのなかでごく少数派だった就職志望の友人と男同士で観たのがこの映画で、終ってしばらく席を立てず、互いに言葉が出なかったほど強く突き刺さったのだった。それにしてもこの映画を男2人って、よくよく考えるとヤバいね(笑)。

今回のプロモーションしないという手法でのプロモーション威力ったら凄い。情報が氾濫する社会をボウイ流に皮肉ったような、見事な話題づくりである。作品に対する一切のコメントを、いまだ出していない。唯一、大島監督への追悼コメントだけが久しぶりに出されたものというのも、不幸な偶然までもがまるでプロモーションになっているかのようだ。10年の時を経て発表されるアルバムは、次号発売の直後の予定だからじっくりと聴けるタイミングであり、これは僕にとっては非常にうれしいプロモーション(!?)である。

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1件のコメント

  1. モダンラブには有名な空耳がありますよね…
    今でもかけるとフロアで歌う人多いです。

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