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12月に聴きたいアルバム『ザ・ベストテン』。オーティス・レディング『ドック・オブ・ザ・ベイ(The Dock of the Bay)』。

2012 年 12 月 21 日 プロデューサー コメント

オーティス・レディング ドック・オブ・ベイ音楽好きの昭和40年男が、師走に聴くのにふさわしいアルバムを10枚セレクトして、不定期連載で紹介している7枚目だ。自分自身が12月のとくに真ん中を過ぎたあたりからは、師走らしさにこだわりながら聴くのを習慣にしているから、こんな企画をお届けしている。昨日はついにジャズの名盤まで持ち出して、脈略のまったくないセレクトをさらに混迷に追い込んだ。今日はリズム&ブルースの名盤をお届けして、さらにセレクションはとっ散らかったものになった。

アメリカの権威ある音楽雑誌の『ローリングストーン』誌が発表した、世界でもっとも偉大なシンガーの堂々8位にランキングされた、文字通り偉大なるシンガー、オーティス・レディングからは12月ということで『ドック・オブ・ザ・ベイ(The Dock of the Bay)』をおススメしたい。

ジミ・ヘンドリックスジャニス・ジョプリンの2人ともに1970年に27歳の若さで逝った。オーティスはその3年前の暮れに26歳の若さで逝ってしまったのだ。この3人の天才が、せめて後10年ずつ長く生きていたら、現在のロックは姿を変えていることだろう。そのくらい惜しまれる、3大天才ミュージシャンの早世である。

このアルバムは没後に発表された追悼アルバムであり、アルバム未発表曲の悪くいえば寄せ集めで作られた。オーティスのアルバム全体の中で、もっとも好きなアルバムというわけではないのだが、ここに堂々ご紹介するのは、オープニングナンバーでありタイトルチューンの『ドック・オブ・ベイ』が強く関与している。

1967年の12月10日に飛行機の墜落事故で亡くなる直前の、6、7日に録音されたそうだ。年が明けてリリースされると世界中で大ヒットとなった。亡くなったからのヒットではなく、楽曲自体すばらしい。とくに歌詞の世界がグッとくる。港に物悲しく佇む男の姿を描いていて、また歌唱がその風景にピッタリとハマっている。オーティスの真骨頂である憂いを含んだ歌唱は、この曲のためにあったとまで思えてくる。天才の人生がまさかここで終るとは、なんとも皮肉なものだ。3分に満たない短い曲とは思えない、じつにたくさんの表情が詰め込まれている充実した1曲だ。じっくりと噛み締めながら聴き込めば、我々の年齢ならではの感動が広がることだろう。寄せ集めとしたが、シングル曲が中心となっている名曲ぞろいで、アルバムとしても十二分に楽しめるお値うちの1枚だ。

 

 

 

 

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