【S40News!】未来のハイウェイ・パトロール車両のデザインを競うコンペが開催。

SUBARU SHARC

11月28日から始まった第9回LAオートショーデザインチャレンジにおいて、富士重工業が出品した”SHARC”(Subaru Highway Automated Response Concept、日本名:シャーク)が優勝した。

デザインチャレンジは毎年LAオートショーで開催されている催しだ。毎年新しいテーマを選び、各社が互いに競い合いながら自動車デザインの新しいアイデアを開拓する機会として注目を集めている。今年の審査基準には、将来における先端技術の必要性への考慮、未来の高速道路システムに対応したスピードと俊敏性、問題解決に対する独創性、特定地域の排出ガス基準への対応、さらにメンテナンスと再生可能性を含む環境対応への高感度などが含まれているという。9回目を数える今年のデザインチャレンジのテーマは「2025年のハイウェイパトロール車両」。将来大きく変化する都市環境におけるニーズを支援する警察車両をコンセプトに、BMW、GM、ホンダ(日本と米国)、メルセデス・ベンツ、そしてスバルの各デザインチームより6作品がノミネートされた。

スバルは、ハワイの島々を結ぶ新しい“パラダイスハイウェイ”を想定したデザインを提案。24時間のハイウェイ監視や、保護、迅速な緊急対応に対処する革新的で安価、かつ環境にも配慮したパトロール車両だとしている。

近未来のデザインが詰まった、ワクワクさせられるようなデザインが集まっているデザインチャレンジ。他メーカーの作品も合わせて紹介しよう。

< SUBARU>

SUBARU SHARC
SUBARU『SHARC』。ハワイの島々を結ぶパラダイスハイウェイを想定し、24時間のハイウェイ監視や、保護、迅速な緊急対応に対処する革新的で安価、かつ環境にも配慮したパトロール車両をデザインしたという

SUBARU SHARK
ハワイという場所柄、水上移動も考慮してホバー形状に変形することが可能。ファン形状のホイールによって浮力を生み出すようだ。動力源は再生エネルギーとされており、自動運転によって常勤ハイウェイパトロールのスタッフ数削減にも貢献するとしている。

<Mercedes-Benz>

mercedes-benz ener-g-force
メルセデスの出品した『エナGフォース』。駆動源として燃料電池を採用しており、ルーフ上のタンクに雨水をため水素を作り出す。最大航続可能距離は800kmだとか。ルーフに取り付けられたスキャナーが地形をモニターし、そのデータを元にダンパーの減衰力などを調整するアイデアも盛り込まれている。

mercedes-benz ener-g-force
後部の四角い部分が飛び出すようになっており、内部に何らかのツールセットを仕込むことができるようになっているようだ。警棒とか武器?を仕込むのだろうか。

メルセデスはデザインコンセプトだけでなく、実車やその映像も制作するなど、デザインチャレンジに実に意欲的に取り組んでいる。

<BMW>

bmw e-patrol
BMWグループデザインワークスUSAによる『eパトロール』。2025年に米国のハイウェイはさらに交通量が増え、スピードも高速化すると予想。空気抵抗の少ない形状を採用し、ボディにはアルミやカーボンファイバーなどの軽量素材が用いられている設定だ。
bmw e-patrol
渋滞時に取り締まりを行なうため、右の前輪部が分離し、シングルホイールのポリスカーとして対象を追跡。また、ルーフ部分からは、上空からの取締まりを行なう飛行物体も分離できる構造だ。実に未来的。
bmw e-patrol
これがeパトロールの全貌だ。
bmw e-patrol
インテリアも未来的。フロントウィンドウにナンバーをはじめとする多彩な情報が表示される仕組み。

<HONDA AMERICAN>

honda drone-squad
アメリカンホンダは、『CHPドローン スクワッド』を出品した。「オートドローン」と、その内部に格納する二輪車の「モトドローン」で構成される。二輪車は自動運転が可能だという

honda drone-squad

<HONDA JAPAN>

honda traffic-crawler
ホンダ技術研究所の東京アドバンスドデザインスタジオによる作品が『CHiPs』だ。前二輪、後一輪の3輪車で、細長いオープンボディを持つ。駆動源は燃料電池だ。2025年、カルフォルニア州の高速道路が自動運転に移行する時期と予想し、そうした交通状況に対応できるハイウェイパトロールカーだとしている。
honda traffic-crawler
どことなくクラシカルなデザインになっており、絵画的要素も盛り込まれた作品だといえる。
honda traffic-crawler
水素を動力源としたモーターサイクルとしての提案で、細長いスタイルは渋滞時にも容易に現場に急行できることが考慮されている。2輪でなく3輪であるのはより高い安定性を求めたということか。

<GM>

GM Volt-Squad
GMは『ボルト スクワッド』という3つの車両を提案。『オブザーブ』、『パルス』、『エンゲージ』という形態の異なるモデルで構成されている。
GM Volt-Squad
ボルトスクアッドの1号車は飛行物体。前部に装備されたV字形状の2つのファンと、後部に推進力を得るための何らかのパワーユニットがあるようだ。
GM Volt-Squad
2号車が三輪車となっている。1号車との使い分けについてはよくわからないものの、ハイウェイでの高速移動が考慮された車両のようなイメージか。
GM Volt-Squad
3号車はクロスオーバータイプの四輪車だ。3台ともパワートレインには、同社のプラグインハイブリッド車・シボレー『ボルト』のEVパワートレインを発展したものが採用されているそう。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で