桂木 文さんファンなら知っている、キスの味。

『昭和40年男』の現場では、昔懐かしの想い出を引っ張り出しては仕事に活かすを繰り返す。今現在悩んでいる仕事から、僕にとっての、いや全昭和40年男 (!?) にとってのスーパーアイドル、桂木 文ちゃんの『翔んだカップル』にたどり着き、懐かしのテーマソングが鳴り出した。キスの味は何味ですかとたずねられて、「レモンパイです」と答えられるタメ年男は、きっと文ちゃんファンだろう。

調べて見るとあの名曲「想い出がいっぱい」のH2Oによる歌唱だと、今さら知った。「想い出がいっぱい」といえば、これまた夢中になった恋愛ストーリー『みゆき』のテーマソングであり、原作の最終回でも印象的に使われていた大ヒット曲だ。H2Oにとっては、この大ヒット前のスマッシュヒットになったシングルが、『翔んだカップル』のテーマソングで、まだ僕らにとって空想 (経験済みもいるだろう?) でしかないキスの味を歌った「僕等のダイアリー」だった。あの頃ヒットをバンバン出していた来生たかお、えつこさんコンビのペンによる楽曲だ。

ちょっと脱線するが、薬師丸ひろ子様が演じた映画版の『翔んだカップル』のテーマ曲も、H2Oによる「ローレライ」とのこと。なんだか面白いつながりに感じたのは、僕らを虜にした薬師丸ひろ子さんの『セーラー服と機関銃』のテーマ曲は、来生たかお、えつこさんコンビが作っている。その薬師丸ひろ子さんが映画で『翔んだカップル』を演じていて、そのドラマ版で来生たかお、えつこさんが曲を作り、両方ともH2Oが歌っている。奇妙で複雑に巡り巡っていて、ちょっぴり楽しいな。

「僕等のダイアリー」のサビで知ったレモンパイを、気がつくと47年の人生でまだ食べたことがない。来生えつこさんが描いたキスの味を知らないことに、今さら気がついた (笑) 。そういえばこの曲のちょっと前には、竹内まりやさんが恋の気分をピーチパイと歌っている。キスの味とか恋の気分とか、なぜかフルーツパイであり、ともに発売は1980年である。当時なぜにフルーツパイ? 何かが背景にあるのか? しかも微妙なニュアンスがわからなくもないレモンとピーチ? 前述の脱線話と言い、どうでもいい関係性を楽しんでみたりしている。こんなことが仕事に繋がるというのは、つくづくこの雑誌の現場は摩訶不思議である。
 

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