土手いっぱいに広がる平和。

自宅そばに多摩川が流れ、芝生の整った河川敷が広がっていて、日曜日ともなると老若男女で賑わう。スポーツマンたちが多く、楽しむ笑顔と自分を超えようとする真剣さが入り混じっている。一方で弁当をつつく家族や恋人同士の語らいなど、安らぎの姿も見られる。多くの人々が思い思いに休日を過ごしているそんな姿を眺めていると、平和の恩恵のすばらしさを再確認させられる。

もちろん日本全体が平和に包まれているわけではない。今苦しみや悲しみのどん底にいる方々がどれほどいることだろうか? ただ、世界的に見るとその比率は抜きん出て低く、長引く不況や様々な不安にさらされながらも、日本はいまだ世界で有数の平和国家である。だが未来永劫、世界に誇れる国として胸を張っていくには相当の力が必要であることが、少しずつ露呈し続けている。対処できないで崩れ落ちていく場面も、残念ながらいたるところで見られる。それはまるで、地球温暖化によって崩れ落ちる氷山の画像をよく見かけるそれと同じく、少しずつ崩れ始めて、やがて氷山そのものが無くなる瓦解をおこす。日本の平和がそうならないように、守っていかなければならない。

政治力を見直さなければならない。ここ近年はトップがコロコロと変わり、ついには政権与党も変わったが、期待した通りには何も変わらなかった。これらは政治家の質の低下やもろもろ、頭にきているタメ年諸氏は多いことだろう。批判は各自で進めていけばいいだろうが、むしろ国民の責任に対してレベルをあげていくことが、我々の立ち位置でないか。政治は傍観するものでは決してなく参加するものであり、そのために与えられた1票は政治にコミットしていくカードなのだ。その意識を強く持ち、しっかりと動向を見さだめてやがて来る投票日を互いに迎えたいと、社会全体に伝播したいものだ。

少し頭の痛い昨今である。93年から03年に行なわれた4回の衆院選の投票率は、40%台を続けた。その後一転して05年の小泉劇場型選挙で一気に60%台へと押し上がっている。テレビパフォーマンスを巧みに使った小泉さんの戦いによって、選挙は視聴率を稼ぐコンテンツとなった。続く09年の民主党フィーバー選挙を、うまい汁を吸ったテレビ局は総力戦のごとく取り上げた。短絡的なストーリー仕立ての報道が目立ち、その風に乗った民主党が圧勝となった。投票率が増えるのも、報道が増えることも悪いことでないが、もっと真剣に我々が政治に取り組み、報道の質そのものまでを問いていきたいものだ。だが今また、小泉さん鳩山さんフィーバーのごとく、橋本さんの動きにメディアが飛びついている日々だ。民主自民はこれに対して、党首選をうまくハイパフォーマンスのものにして、メディアにアピールしているがごとくである。

休日の広場からあふれている笑顔が無くならない社会を目指していくため、政治が担うことはあまりにも大きい。地球温暖化対策に懸命に取り組んでいることと同様、日本の政治だっていい方に舵を切ることはできるはずだ。その一歩となるように、来たるべき日に国より受け止る1票に対して、今は真剣に準備を進めたい。

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2件のコメント

  1. 前回の選挙で民主を選んだのは他でもない我々国民なのです。
    マニフェストと違うと批判するよりも、まずそのことを忘れてはならないと思います。

    近くに川があるのはいいですね!
    私も一時期、荒川沿い(足立区鹿浜)に住んでました。
    とんでもなく不便な場所でしたが・・・。

    • あのとき自民党がつくったフィルムがおもしろかった。そんなになんでもできるはずがないとの鳩山劇場みたいなヤツ。それでも選んだのは事実なんですよね。

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