大編集後記その壱。小林克也さん。

さあ、いよいよ独立創刊までちょうど1週間のカウントダウンウィークになった。誕生寸前にある僕の分身たちは、現在印刷機の中を泳いでいるところだ。きれいに仕上がってくれよ。印刷所の皆さん、よろしくお願いしますと祈るばかりだ。さあ、本日よりは大編集後記をお送りする。

すでに小出しにしながらご紹介してきた、次号の特集タイトルは『俺たちに影響を与えた男たち』で、ベタベタタイトルそのまんまに8人の男を選出し、昨日までに5人の選抜をネタ出ししてきた。あらためて編集部が選んだ男たちを紹介しよう。忌野清志郎さん、イェーイ。永井豪さん、イェーイ。いかりや長介さん、イェーイ。甲斐よしひろさん、イェーイ。そしてジュリーだーっ、イェーイ。ねっ、なんだかおもしろそうな特集でしょ? それぞれに取り上げ方は異なり、昭和40年男サイドからの見解だったり、親しい方や縁のある方に話を聞いたり、本人のインタビューだったりと、変化をつけている。

さて、6人目を紹介しよう…。って、もうタイトルに踊っているじゃないの、小林克也さんの登場だ、イェーイ。前号の特集『ラジオ』でも登場願いたかったが、僕は前号のメインを伊武さんに決めたから、そのうえ小林さんはちょっと偏りすぎるからと判断した。だが今回の特集になって、むしろよかったと思えるほど俄然輝いた。だってね、小林さんといえば『スネークマンショー』もさることながら、DJとはなんぞやを教えてくれ、そして僕らにアメリカンミュージックをガツンと押し込んでくれた張本人だった。『ベストヒットUSA』での克也さんの名さばきぶりに、高校生になったばかりの僕らがどれだけ歓喜したことか。加えて音楽的知識の幅をグーンとひろげてもらった。ハイティーンの感性にビシッと決まった克也さんのレコメントぶりが記憶に強く残っている。ミュージシャンのバックボーンやエピソードを混ぜ込んで、たいした興味がなくてもググッと引き寄せてしまうマジックの術中で、僕らは鍛えられたのだ。つうことで、まさに昭和40年男ならではの感が強いから、この特集に出ていただくにはピッタリでしょう。前号のラジオ特集で登場するよりもハマっていると思う。

『ベストヒットUSA』で想い出深いのは、イエスの再結成だ。たしか新聞の番組表でもあおっていて、大注目でテレビにかじりついた。期待で胸が張り裂けそうなところに流れたクリップ『ロンリー・ハート』は、これほど音楽で落ち込んだのを後に知らない。汚い言葉で申し訳ないが「これ、クズじゃん」と、クリップが終った時の自分は可哀想なほどブルーだった。今もあれは嫌いな曲のトップ3に入り、もしもインタビューをできるとしても僕は現場に行かないだろう(笑)。そのくらいの裏切られ方をした想い出がある。こんな感情を持てたこと自体も、克也さんの存在が大きいということかもしれない。

今回のインタビューには知らなかったことや、小林さんならではの感性が散りばめられていて、自分のところの記事で手前味噌だが、かなりおもしろい。ライティングとインタビューを担当した米澤が引き出した珠玉のネタたちで、とくにパンクな自分とジャズなタモリさんとのくだりは、最高の瞬間に感じた。えっ、ちんぷんかんぷんだって? そりゃあ、11日まで待っててくださいよ。

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2件のコメント

  1. あと二人ですね。誰だろう・・・個人的には「石ノ森章太郎」なのですが弟子の永井 豪とかぶっちゃうだろうし、「池沢さとし」も漫画家つながりだし、「コンドルのジョー」は生身の人間じゃないし、、、。日本一早い男「星野一義」も以前登場してしまってるしなぁ。。グッと意表を突いて「木枯らし紋次郎(中村敦夫)」に、「太賀 誠(夏 夕介)」なんてのはどうでしょう?? 個人的には、相当に影響を受けてた(はまり役の)二人なんですが。

    • 毎度鋭いコメントをありがとうございます。コンドルのジョーは僕にとってもアイドルですが、そうなんですよ、今回は人間で特集します(笑)。

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