田原総一朗さんになれるか?

本日ワタクシ、MCの仕事でこれから静岡県浜松へと向かう。事務所の浜松町から浜松ってか。昨日から開催されている『バイクのふるさと浜松』なるイベントでしゃべるのだ。イベント仕事はわりと得意で、ラジオやテレビみたいな緊張はまったくなくスムースにできる。年間10本以上こなしてもう10年以上経つベテランなのだ。本来なら楽勝なのだが、今日は♩だけどちょっと、だけどちょっと、僕だって怖いな♩な気分なのだ。というのは、いつもと立ち位置が違うから。

今日の仕事は浜松出身のバイクメーカーである、ホンダ、ヤマハ、スズキのデザインのボスたちが集い、フォーラムを行なうというもので、これのコーディネーターという立場なのだ。つまり『朝生』の田原総一朗さんである。しかも話題がデザインという非常に難しいものである。バイクにとってデザインは非常に重要なウエイトを占めるのだが、ユーザーにとってイマイチ興味が薄い。いや、実はバイク選びにおいては相当重視しているはずなのだが、バイク乗りってヤツは天の邪鬼というか突っ張り坊主というか、それを素直に認めない輩が多い。デザインで決めたくせにエンジンのウンチャラがとか、ハンドリングと車体がナンチャラとか言いたがるのである。ちなみに僕もそうだ(笑)。事実、ウチがやっているバイク雑誌でデザイン特集を組むと大概失敗する。と、そんな難しい題材なのである。

加えて、僕が座長になってさばく方々の大物っぷりといったら、もうまさに猛獣使いの気分である。この獰猛な連中がケンカにならないように、かつ、おもしろい方向へと引っ張るのは至難の業で、バランスを考えながらいい方へと導くのなんか無理じゃないかと涙ぐんでいる。だがキャシャーンがやらねば誰がやるな気分でもうやるっきゃないのである。

ヒアリングを繰り返して三部構成を組み立てた。第一部は『そもそもバイクのデザインとは』として、そのまんまの内容だ。ここでしっかりとお客さんを捕まえなかったらもうこの日の敗戦は決まってしまう。用意周到に勉強したつもりだがどうなることやら。バイクはエンジンや見えない部分までもデザインするのが他のインダストリアルデザインと大きく異なる。デザインの領域が多いいのだ。デザイナーが粘度を削るのも特徴であり、いろいろと複雑な仕事が要求される。それをわかってもらいたいというコーナーだ。

続いて第二部は各デザイナーの仕事に迫る『デザイナーワークス』として、各自もっとも思い入れの強いデザインバイクを展示して、その前で苦労話を披露してもらう。ここで選ばれたバイクが、わりとカルトなんでおもしろくなるか逆に転ぶが怖いところだ。

そしてさらに第三部はもっとも難しいところに踏み込んで、なんでこんなテーマをと自分に突っ込みたい『これからのバイクデザイン』である。景気低迷、グローバルと難しい局面でのバイクづくりは混迷を極めている。ここでネガティブばかりになっても困るが本音のところをお客さんに届け、さらに僕自身の考えも披露しなければならない。ここが非常に難しく、頭が痛い。ライブだからどんなに用意してもゲストのトークで転んでいくのも宿命である。さあどうなる北村?

この絶対絶命のピンチを応援してくれる昭和40年男を大募集だ。現地でみんなの来場を待っているから終ったら声をかけてくれ。はたして今夜うまいビールを呑めるのだろうか? 明日のこのコーナーで報告するとしよう。では、行って参ります。

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