前田知己さんインタビュー。

タイトルとはまったく関係ないが、明日からの長期休暇を控えてワクワクしている方が多いことだろう。休めない者も多くいるのだから、その分まで充実した休暇をエンジョイしてほしい。そんでもって、たまたま月曜日に予定の入っていない方はこのチャンスにぜひっ、読者ミーティング「浅草秘密基地」にご来場ください。お盆なんざブッチギリで開催しているから、ご家族連れでも一人でもふるっての参加をお待ちしてます。

「タメ年のスゴイやつ」や「自分色に生きる」といった、タメ年の生き様を届けるインタビューページは『昭和40年男』のメインコンテンツの一つで、創刊からずっと展開し続けてきた。最新号では軽いリニューアルの気持ちで、タイトルを「荒海に生きるタメ年男。」に刷新してお届けしている。前号では『踊る大捜査線』の監督、本広克行さんと脳科学者の藤井直敬さんのお二人に話を聞いた。読んでくれたかな?

このシリーズの取材で先日、コピーライターの前田知己さんのインタビューに出かけてきた。長引く不況で広告の世界はさぞ厳しいだろうが、そのあおりを食っているのは、テレビCMをはじめとしたメディア調達力だけで戦ってきた連中だ。広告していくこと自体の重要度は、近年ますます上がっていて、本質を突いたコミュニケーションプランなどがそうだ。前田さんは現在、その一線で大活躍していて、インタビューはいい勉強になったとともに、凄く楽しかった。奇しくも取材日は僕の47回目の誕生日で、新しい一年を充実させたいと思っている矢先のことだった。

彼の手がけた仕事で記憶に強いのが、カップヌードルの「hungry?」シリースで「ああ、あれね」とピンと来た方は多いだろう。その後彼は『じゃらん』や宝島社の企業広告などでスゴイ仕事を次々に生み出していて、最近ではトヨタの86やユニクロのコンセプトワークなどといった難しい仕事をこなしている。

広告関連というとなんだか小難しい横文字仕事の話だろうと思うかもしれないが、彼にそんなところは微塵もなく、極めてシンプルにいいモノをつくる姿勢だけがあった。真面目な方で、質問しているこちらがうれしくなってしまうほど真剣に言葉を返してくれる。そしてその中身が実に誠実なもので、そのまま彼の仕事となっている。仕事と人格がシンクロするのはこの歳だったらカンタンでないことは嫌ってほどわかるが、シンクロできればできるほどいい仕事になり、人様の役に立てることも嫌ってほど知っている。そのためには絶え間ない努力が必要であり、でもなかなか思いどおりにならないから焦ったりあきらめてしまったりを繰り返す。ああ、つくづく僕は凡人である。だからゆえ、こんなすばらしい方のインタビューができるとうれしくなり、凡人ながら少しでも近づこうと努力する。とまあ、そんな想いで誕生日を迎えたのだった。

この先に待ち構える大きな問題は、言葉の第一線を突っ走る男を、僕の言葉で綴ることだ。シオンさんが呑んでいる席で弾き語りを演るかのような、そんな大それたことのように思えなくはないが、それはそれで大胆に書こうと腹をくくってペンを進めている。
 

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