小林克也さん、インタビュー。

次号の制作が佳境を迎えている。今号も盛りだくさんでお送りしたく、懸命に頑張りながらもたまにエンストを起こし、またエンジンをかけ直しては走る。そんな日々だ。つい先日、小林克也さんのインタビューに出かけてきた。

今回取材することになり、あらためて小林さんの資料をみるとなんと戦前の生まれで、現在71歳になる。僕らにたくさんの情報を押し込んでくれていたのが40代だったのはなんとなく驚きである。昭和40年男たちが音楽やサブカルっぽいものに目覚めて、徐々に夢中になっていく頃に、いろんな小林さんが現れた。前号で大フューチャーした『スネークマンショー』だったり、それに端を発してYMOのアルバムに参加した小林さんはなんとも不思議な存在だった。高校時代にみんなが聴いた、サザンのアルバム『ヌード・マン』のド頭のDJ.コービーとは小林さんであり、クリスマスの伝説的番組、ロック版の紅白歌合戦といっていいだろう『メリー・クリスマス・ショー』でも、シンガーたちとはひと味違う立ち位置でロックの持つ魅力を届けてくれた。さらにこれも知る人ぞ知る名盤で、桑田圭祐さんが嘉門雄三名義で行なったソロライブにも、様々な隠し味とときには桑田さんをしのぐ存在感を放っていた。そしてなんといってもベストヒットUSAでの、アメリカ文化を交えながらのトークには痺れたものだ。

さらっと思い出しただけでもこれほどの変化ぶりだ。これらがすべて僕らが高校生のときであり、こんなところでも昭和40年男は他の世代にはない奇跡的な幸せがあったゴールデンエイジだと感じてしまう。だってね、もっとも多感な時で背伸びしている頃だよ。そんなときにこれほど秀逸なコンテンツを次々に提示してくれ、どれもがあの風体とはアンバランスなほどカッコよかった。前号の取材時に伊武さんもおっしゃっていた、圧倒的にいい声に痺れながら、親しみやすいルックスに親近感を感じていたのだ。

インタビューでは当時知らなかったことが次々と聞けて、次号の注目記事であることは間違いない。ベストヒットUSAの収録後にも関わらず、1時間以上熱く語ってもらえた。あの声を目の前で長時間だよ。なんちゅう贅沢な話だろう。そして彼のルーツとなる音楽との接し方や捉え方を本音で聞けた。キーワードは「甘いのが嫌い」で、僕とまったく一緒の感覚を持っていたことがうれしく、この辺も次号で詳しくお届けしよう。

小林さんのインタビューは、今回の巻頭特集に組み込む。さてさて、どんな特集になるのかは間もなくお伝えするまで、しばし皆さんの想像力で遊んでやって頂戴!! 乞うご期待ですぞ。

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