増税に生きる。

消費税はひとまず10%へ向けて進んでいくようで、扶養控除の撤廃などすでに施行されたものを含めて増税へと舵を切りっぱなしのまま激走しているように見えてきた。だが仕方ない部分もあるし、もちろんそうでない部分もある。報道ワイドショーは片方側からだけでつかんでお茶の間向けに垂れ流しているわけだが、表層だけの怒りパフォーマンスによる視聴率稼ぎには毎度辟易とさせられる。見なければよいのだが、朝はついついテレビのスイッチを入れてしまう。

増税は苦しいが、もはや仕方ない状況であることは否めないから、受け止めなければならないだろう。ただ実際に現場レベルで考えてみると、これは大変な作業と苦労を強いられることになるのもまた事実として突きつけられる。もの凄く狭い話になるが『昭和40年男』の定価1つとってもこれは大いに悩むことだ。そもそも現在の税込み680円というのは、かなり乱暴な値付けである。男性誌カテゴリーの中にあって680円は妥当なものだからこれでいこうとのなんともいい加減なもので、緻密な原価計算からはじき出したものでない。書店の棚を主戦場にしながら戦う武器は、内容や表紙の力はもちろんだが、いざ最終的にレジに運ぼうとしたときに定価は大きく関わる要素だから、この値付けしかないとも言える。

消費税10%時代が到来すると単純に32円の増税となる。当然ながら、印刷費や用紙、その他経費には増税分がのしかかってくる。ここで我々は難しい選択を強いられるわけだ。雑誌だけでなく、たとえば380円で出しているファーストフードのメニューや、ワンコイン弁当なんかも難しいだろうな。企業同士の取引でも、下請け業者などは増税分をチラつかせながら値下げ強要される場面がアチコチで起こるだろう。はいそうですかと5%を上げられる業種の方が少ないはずで、多くの、特に中小企業は大なり小なり飲み込むことになるのではないだろうか。今から頭を抱えている経営者が少なくないはずだ。

さて、『昭和40年男』はどうしたらいいのか? 今はポジティブに考えて、たくさん売ることだけを目指していくことにしよう。雑誌の原価は発行部数と必ずしも比例するものでないから、たくさん売れる雑誌に育てれば利益率は劇的に良くなる。増税なんざ飲み込むさと、今は強がりで走ることにしよう。

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