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白木葉子と林紀子。まだまだいくぜ、大編集後記。

2012 年 5 月 19 日 プロデューサー コメント

忙しくて書店に行けなかった皆さんにも週末が来ました。今日こそ『昭和40年男』をゲットしよう。今回の特集はライバルで、メインコンテンツは『あしたのジョー』だ。昭和40年男にとって人生のバイブルであり、登場人物たちからは強く影響を受けているはずだからと、10ページも使って掘り下げてある。

10ページの中に、ライバルと呼ぶには少し変化球かもしれない2人を入れた。葉子と紀ちゃんだ。どっちが好きかと問われたらものすごーく悩む。皆さんはどうでしよう? すんなり決められますか? 全部で20巻ある単行本の19巻の終盤までは10人が10人紀ちゃんでないだろうか。まさかあの高慢なお嬢様が、ああも弱々しく愛の告白をするなんて、子供心にぶっ飛んだしホロリときた。そしてそれまでのドライでお金持ちなオーラバシバシの葉子がすべて払拭され、愛する人をただ見守るか弱い女になった。そして力石が死んだ後にバロンで再会するシーンへと繋がっていく。あのシーンがなければ愛の告白のシーンが、クロスカウンター程度のものになっていただろう。見事なトリプルクロスを決められて、完全にノックアウトされた。今読み返してもやはりスゴすぎる。そして説明不要のグラブを渡すシーンは長いドラマのまさにクライマックスで、この作品に白木葉子というキャラクターが与えたものはものすごく大きく重要だった。くどいが、これもバロンあってのものだ。

一方の紀ちゃんは下町の乾物屋の娘であるから、同じく下町の電気屋の僕とはつり合いが良い。嫁にもらうタイプの筆頭だね。きっと、アイロン掛けや針仕事なんかがうまく、味噌汁と里芋の煮っころがしなんかが最高なのだ。そしてなにをおいても紀ちゃんが繰り出す最高の味となるのが、矢吹くんの好きなトマトのサンドイッチだ。このシーンを見なければトマトのサンドイッチなんかまったく興味がなかっただろうし、逆にトマトのサンドイッチを食べるたびに紀ちゃんを思い出す僕だ。ここからの一連のシーンは、原作はもちろんのこと、アニメの『あしたのジョー2』の描写もすばらしい。今回の特集を組む前に久しぶりに動画を見たが、やはり感動に震えた。「燃えかすなんかのこりやしない…真っ白な灰だけだ」のコマは、以前ちば先生のインタビューでベストカットだとおっしゃっていた。このコマが、真っ白な灰となったラストシーンのモチーフとなったことを考えると、葉子同様に紀ちゃんも作品に大きな影響を与えている。

魅力的な2人のささやかな恋心に深く感じ入っていけるのは、昭和40年男の生きた時代があってのことだろうなと得した気分にさえなる。そしてちば先生のスゴさを強烈に印象づけるコマが、最新号22ページに掲載した紀ちゃんの「わたしついていけそうにない…」に続く2コマのジョーの表情の変化と、葉子が「おねがい…わたしのために」「わたしのためにリングへあがらないで!!」の次にあるジョーの表情だ。この小さいながらすばらしいコマたちは、やはり2人の女性が引き出したものであり、生み出した梶原先生の心がまるで見えてくるような2人でもある。僕は梶原先生のはすばらしい奥様にもお会いしているからなおのことで、そのインタビューは前々号(表紙キヨシローさん)の特集に掲載しているから、併せて楽しんでいただければ、きっとジョーの世界にこれまで以上に深く入り込めることだろう。

立てっ、立つんだジョー。そして走れ、書店へと(爆笑)!!

 

 

  1. avatar
    B太
    2012年 5月 20日 04:34 | #1

    あまりにも異なるキャラだけど、一途さで葉子の方かな。
    ま、相手にされないでしょうが(笑)。
    紀ちゃんは最終的には自分の幸せを優先したから、女性独特の計算高さがあるかなと。
    出来ることなら、両方と付き合いたいですね。(最低か)
    最新号は、もちろん発売日にGETしました。今迄で一番しっかり読み切りました。
    ところで、今度の金曜日は、第二回目の昭和40年男の会を会社の連中と催します。
    単なる呑み会ですが、ちゃんと本誌規定に則った昭和40年男限定でやりますよ。
    前回は、スーパーカー消しゴムで盛り上がりました。
    今回は、「急いで口で吸え!」や「シンナーに気を付けてカベ塗んな」で盛り上がろうかなと(笑)。

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    青山くん
    2013年 4月 12日 16:38 | #2

    紀ちゃん…ですかねぇ。うーん、悩みます。
    葉子もいいのですが僕的には西との結婚式のジョーのスピーチのあと、ジョーを見つめる紀ちゃんの
    あのなんともいえない眼差しが子供のころの自分の心にズシンと重いしこりを残したというか、
    あのシーン凄く印象に残っており、今この年齢になってようやくあの眼差しの意味するものがわかりかけてくると余計に紀ちゃんに対する思いや印象が深まってきた気がするんです。
    だから消極的ながら林紀子を。

  3. avatar
    矢吹葉子
    2017年 3月 14日 17:39 | #3

    かたやドヤ街の八百屋の娘、かたや財閥の御令嬢。
    究極的に身分が違いますね~。
    迷わず葉子さんでしょう。自分が丈と同じ立場であればですが。