ギターとの出会い。

「クイーンなんてクズだよ」
そう言い放ったクラスメイトが
ホントのロックを聴かせてくれると言う。
ある日の放課後、彼の家をたずねた。

こいつには兄さんがいる。
これまでも何度か書いてきたが、
多くの兄姉がいるヤツをうらやましく思うことがあった。
が、この日はもう決定的だった。

レコード盤がステレオの周りに山積みになっている。
俺はこのとき3枚しか持っていなかったのに。
(『オペラ座の夜』に続きロッド・スチュワートの『スーパースターはブロンドがお好き』を購入していた。なんだかミーハーだな)
「全部兄貴のだよ」
くぅーっ、うらやましい。

レコードを聴く前に「ちょっと見てろよ」と
ぬぁんとギターを持ち出した。
「兄貴のだけどな」
くぅーっ、うらやましい。
彼はアンプにディストーションをかましてつないだ。
「なにその箱?」
「ディストーションっていって、音を歪ませるんだよ」
「???」

アンプにつないでクリーンな音でチューニングして、ディストーションをオン。
そしてヤツがまず弾いたのがジミ・ヘンドリックスの“パープル・ヘイズ”だった。
背中に電気が走るとはこのことだな。
続けてディープパープルの“ハイウェイ・スター”のソロを弾いた。
ぬぁんなんじゃー、このカッチョイイ世界はー!!
もうただただ驚愕の出来事が目の前で起こっている。
同じ歳のヤツがロックしている。

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