第2話 雑誌ってヤツは。(2)

新しい雑誌を創りたい。

約15年前に、バイク雑誌の創刊に
スタッフ(たいした役回りではなかったが)として関わって以来、
いつも意識の中心にある気持ちのひとつだ。
アイデアはちょくちょくと浮かぶ。
そのたびにまずは興奮する。
だが、あれこれシミュレーションしてみると
やがて興奮は冷めていくというのがほとんどで、
これまでのボツ企画は100を軽〜く超え、
発行までに至ったのはほんの数点である。

だが今回は、ビシッとはまった。
「俺、読みたい」
こんなきわめて単純明快な理由で全国誌を発刊できるのだから、
ある意味幸せである。
加えて、自分の生まれ育った年代を誇る気持ちが強いこと。
さらに決め手は、自分のタメ年連中が元気であること。
うん、きっといけると何度も言い聞かせながら企画を熟成させていった。
アイデア自体がポッと浮かんだのはもう2年前になる。

ずいぶんと長いことあたためてきたなあ。

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